雨が降っているとはいえ、人影もまばらでシャッターをおろした店が多い旧市街
◆ベトナムが東南アジアでも最も厳しい防疫措置
今、世界中が新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の悪影響を受け、混乱しているのは誰もがご存知のことだろう。東南アジアも同じで、各国の渡航者数が激減している。
近年日本人からも人気の旅行先となっているベトナムも同様だ。特にここ数年は観光だけでなく、商用などの訪問者も多く、長期間人者数も増加の一方だったにも関わらず、COVID-19の影響でベトナムへの渡航者が減少している。ベトナム文化・スポーツ・観光省が発表している統計によると、2020年1月期の外国人入国者数は199万4125人だったところ、同年2月期は124万2731人になった。3月はさらに減少することが確実となっている。
というのも、すでに中国からの航空機乗り入れ禁止、韓国に対してはビザ免除措置を一時的に停止、全航空便が欠航中となっていたが、ベトナム政府はそれに加えて今月14日、欧州27か国からの入国禁止を決定。15日正午から実施しているからだ。今後はさらにアメリカから渡航入国規制も検討中であるという。
これは、2月中旬まで新たな感染者がなかったものの、イギリスからの飛行機内で集団感染が発生してしまい、ベトナム国内での感染者が急増してしまったことによる措置だ。在ホーチミン日本国総領事館のサイトでは、ベトナム保健省の発表として、3月18日午前11時時点でベトナム国内での新型コロナウイルスの陽性事例が67人(その内16人は治癒)と発表されている。
また、3月18日からは外国人に対するビザ発給を1か月間停止する措置をとっている。日本人はビザなしでも15日間の滞在が許されてきたが、18日以降は公務以外で入国する場合、新型コロナウイルスに感染していないことを示す証明書が必要になる。ただ、この「証明書」がどんな文書なのかは不明であり、日本では実質的にこういった書類が出ないとも言われており、しばらくの間、ベトナム渡航は困難になることが予想される。
このように、ベトナムは東南アジアでは最も厳しい防疫措置を採っているので、ベトナム国内も経済的に大きな影響が出ることになるだろう。
◆すでにハノイでは営業しない店が目立つ
これは冒頭の写真とほぼ同じエリアの2年前の様子。通常時の旧市街は深夜でもこれだけの人が集まっているのだが…。(2017年12月撮影)
ベトナムの首都ハノイにおいても観光客の減少、市内の商いに関する悪影響が目に見えて感じられる。商店や飲食店は自主的に、あるいは政府や地域の行政機関、警察などの命令で休業しているところも多い。
ハノイだけでなく、南部の商業都市ホーチミン、中部の港湾都市ダナンでも営業停止になっているところがある。レストラン、バー、映画館、エンターテインメント系の施設が対象となっているようだ。
日本人経営の店なども影響が出ている。客の激減ならまだしも、突然当日あるいは翌日から営業を停止するように通達が来る。これらの地域の経営者によれば「特にCOVID-19に関係ないにも関わらず、行政や公安のその場の判断で突然休業を強いられた」という声が相次いでいる。
ノイバイ空港は家族・親族の出迎えも多い中、その人影はなかった。一方で、白タクなどの違法業者もなく、快適ではあった
外国人がベトナムに入国する際には現在、ベトナム政府が用意する健康関連の自己申告書の提出が義務付けられている。便名や席番号、滞在先、自己診断での健康状態、過去14日以内の渡航先などを報告することが必要で、書類の下部には虚偽の申告が発覚した場合は罰せられることが明示されていた。
申告書はオンライン、航空機内で配られる用紙がある。筆者は3月15日から5日間、ハノイに滞在している。その際の体験では、まず利用したタイ発のベトナム格安航空会社「ベトジェット」はオンライン申告を完了しないとチェックインすらできなかった。
ハノイのノイバイ国際空港では機内で配られる用紙に再度同じ質問があり、記入。それを持って防疫担当官が待つ窓口に向かう。オンライン申告はまったく利用されていなかったが、タイ発の便ということもあって列に並び検疫完了のスタンプが押されるまでにわずか5分しかかからなかった。
一方、日本発便では列に並んでスタンプをもらうまでに2時間かかったという話や、ハノイ在住者は4時間並んだという証言もある。アセアン圏内の発着便でも国によって対応が違うが、日本は国外においてこの新型コロナウィルスへの対処が後手にまわりすぎている印象を持たれているので、警戒がより厳しいものになってしまう。
とはいえ、3月15日時点では、それ以外で入国が困難だったということはなかった。むしろ入国者が少ないので、入国審査場も閑散としていて、スムーズに入国することができた。
しかし、ホテルに到着すると、チェックイン前に過去14日間の行動をすべて書き出すように言われ、白紙に日付とどこにいたかを書かされた。最後にサインをさせられたので、おそらくホテルは公安に届け出ていると考えられる。
◆「外国人=COVID-19をもたらす存在」という偏見が蔓延
ホアンキエム湖の北側はバイクや車すら少なくなっている
ハノイ市民の感情も揺れ動いている状態だ。多くが「COVID-19は外国人がもたらすもの」と考えているようで、我々外国人を見る目が冷たいような気がする。
ハノイ在住の日本人会社員はこう語る。
「ホアンキエム区の麺類食堂でほかにベトナム人客がいるにも関わらず、注文時に、ない、と言われて追い出された」
ホアンキエム区はホアンキエム湖を中心にしたエリアで、湖の北側はいわゆる旧市街と呼ばれる。欧米人を中心に訪問者が多く、ここにはショッピングスポットや飲食店、宿泊施設が集まる。しかし、外国人はほとんど歩いていない。旧市街はハノイ随一の服飾関係の市場でもあるので、通常はベトナム人の往来も多いが、そんなベトナム人ですら激減していた。
筆者も最初の夜に旧市街の2軒のバーに足を運んでみた。明らかに空席が目立っていたにもかかわらず「満席です」と入店を拒否されている。
上の写真と同じエリアは、平時には週末は歩行者天国になり、旧市街の一部はナイトマーケットになる。今はそれも中止だ。(2017年12月撮影)
ベトナム政府は中国人と韓国人の入国に対してかなり強硬な手段を採っている。ベトナム人もそれに倣っているのかもしれないが、日本人・韓国人・中国人の見分けがつきにくいことから「疑わしきは」ということで拒否された可能性もある。
ほかの在住日本人の話では、同じ店にほぼ同じ時間に行ったところ、なんら問題なく入店できたという話もあるが、現実的にどこでも筆者の顔を見ると嫌そうな顔をするベトナム人が多く、差別・区別されていることは間違いないと感じる。一方で、営業中の飲食店も多く、外国人を拒否する店の方が圧倒的に少ないのも事実だ。だから、滞在にはあまり大きな影響はないが、しばらくはベトナム観光はおすすめできないというのが、実際にベトナム国内にいる筆者の本音である。
ベトナムは社会主義国なので、トップダウンで対策が決定され実施される。「日々」どころか「数時間」で状況が変化しているので、ここ1か月あるいは3ヶ月くらいの間にベトナム渡航を検討されている方は、常に情勢を確認していた方がいいだろう。
<取材・文・撮影/高田胤臣>
【高田胤臣】
(Twitter ID:@NatureNENEAM)
たかだたねおみ●タイ在住のライター。最新刊に『亜細亜熱帯怪談』(高田胤臣著・丸山ゴンザレス監修・晶文社)がある。他に『バンコクアソビ』(イースト・プレス)など
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March 21, 2020 at 01:48PM
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